電子契約の導入は、契約業務の効率化やペーパーレス化を図る手段のひとつです。
電子契約をうまく活用することで、コスト削減や利益アップなど、さまざまなメリットを得られるでしょう。
ただし、正しく運用しなければ、有効な契約として認められない可能性もあるため注意しなければなりません。
そこでこの記事では、電子契約を導入するメリット、導入する際の注意点、導入の手順などを詳しく解説します。
電子契約を導入するか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
「電子契約導入ガイドブック」資料でお悩み解決!
・社内体制の整備の仕方
・ベンダー選定のチェックポイント
・社内手続き確立のフロー など
電子契約とは電子データを用いる契約方法
電子契約とは、紙ベースの書面の代わりに電子データを用いる契約方法です。
従来の契約では、契約内容が記載された書面に署名や押印をおこなうことで、契約の有効性を確保していました。
電子契約においては、暗号技術を利用した電子署名とタイムスタンプを用いて、本人が作成したことや改ざんされていないことを証明します。
難しそうなイメージもありますが、電子契約を簡単におこなえるサービスも提供されており、多くの企業が導入を進めています。
電子契約を導入する3つのメリット
電子契約を導入することで、コストの削減や業務の効率化、契約書の紛失防止といったメリットを得られます。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
人件費や印紙代といったコストを削減できる
人件費、印紙代、郵送代といった多くのコストを削減できることは、電子契約を導入する大きなメリットです。
紙ベースの契約書を作成すると、印紙代や郵送代がかかるだけではなく、作業をおこなうための人件費や契約書を保管しておくための費用なども発生します。
電子契約であれば、契約書を印刷したり、郵送したりする必要はありません。メールなどで送受信し、データとして保管しておけばよいため、やり取りや管理の手間も削減できるでしょう。
業務効率化や利益の向上を図れる
業務効率化につながることも、電子契約を導入するメリットのひとつです。
紙ベースで契約する場合、契約書を印刷する、相手へ郵送する、返送を待つ、保管場所を探して入れる、といった多くの作業が発生します。
一方で電子契約の場合、パソコンと通信環境さえあれば、数分で契約を締結できるケースもあるため、ストレスなく作業できるでしょう。
電子契約をスムーズにおこなうシステムも多く提供されているため、うまく活用すれば、業務の効率化や利益の向上を図れます。
契約書の紛失を防げる
契約書の紛失を防げることも電子契約のメリットといえるでしょう。
電子データはシステム上で一元管理できるため、ロッカーや倉庫の中などを探し回る必要はありません。
契約書管理の担当者が変わる場合でも、簡単に引き継げますし、「契約書をどこに保管したのかわからない」というケースもなくなります。
また、電子契約による契約書紛失防止は、コンプライアンス強化にもつながります。
契約書紛失によって、書類に記載された情報が漏えいしてしまうと顧客はもちろん、株主、従業員といったステークホルダーとの関係悪化につながりかねません。
また、書類の情報が漏えいしたことで損害賠償を求められる恐れもあります。
このような企業全体に影響を及ぼすリスクを未然に防ぐうえでも電子契約の導入は有用です。
▼「【2022年保存版】電子契約の始め方ガイドブック」資料でお悩み解決!
・書面契約との違い
・法的有用性
・電子化できる契約書の種類
・導入メリット、効果 など
電子契約を導入する際の3つの注意点
電子契約を導入する際は、「契約相手の同意を得る」「社内教育をしっかりとおこなう」といったポイントに注意しましょう。
以下、それぞれの注意点について順番に解説します。
契約相手の同意が必要
自社が電子契約を希望していたとしても、契約相手がそれを拒否した場合は、契約を進めることができません。
紙ベースの契約書に慣れている、電子契約を導入するためにコストがかかる、といった理由から電子データでの取引を拒否する企業もあります。
電子契約のメリットや安全性を説明して納得してもらったり、相手に合わせて紙ベースでの契約をおこなったり、臨機応変に行動しましょう。
電子契約が認められないケースもある
電子契約が認められないケースもあるため注意が必要です。
一部の契約においては、消費者保護などの観点から、紙ベースの契約書を作成することが法律によって義務付けられています。
たとえば、定期建物賃貸借契約、投資信託契約の約款、派遣個別契約などについては、書面での契約締結が義務付けられているため注意が必要です。
社内教育をしっかりとおこなう
電子契約を導入する際は、社内教育をしっかりとおこないましょう。
電子契約を有効なものとするためには、導入する電子契約サービスの操作方法や電子署名、タイムスタンプ、契約の進め方などについて理解しておく必要があります。
電子署名法やe-文書法など、関連する法律について把握しておかなければなりません。
また、運用体制を整えておくことも重要です。電子契約は従来の紙の契約書と同様に厳重な管理が求められます。
そのため、誰に電子契約サービスのアカウントを付与するかを設定しておく必要があります。契約書は機密性が高いため、管理が煩雑にならないようにアカウントを付与する人数は極力少なくしましょう。
運用体制はアカウント付与だけでなく、どのようなフローで契約書締結につなげるかも決めておくことも大切です。
契約書のなかには担当者の段階で完結する書類がある一方、代表取締役の決済が必要な書類もあります。契約書に応じたフローを設定しておくことで、スムーズに電子契約サービス利用につなげられます。
印章規程を電子署名管理規程に変更する
電子契約サービスを導入するには印章規程を電子署名管理規程に変更する必要があります。
紙の契約書の場合、書類に以下のような印章を押印・捺印します。
代表者印
役職社印
銀行印
社印
これらは印章管理規程として管理上のルールが定められています。印章管理規程には、
印章の定義
印章の種類
印章の使用範囲
印章の管理者
印章紛失・盗難時の対応
などが含まれています。
電子契約サービスの場合、物理的に管理できる印章はありません。
だからといって管理規程を定めていないと、内部統制・リスクマネジメントに影響を及ぼしかねません。そのため、電子署名管理規程を定めておきましょう。
電子契約サービスにおける規程では、印章に値する「秘密鍵」をサーバー上で管理するために必要なパスワードや、セキュリティ強化としての多要素認証の管理者責を明確にしておくことが大切です。
このように電子契約サービスの導入には運用・承認フローなど様々なことに対応しなければいけません。
当サイトでは、電子契約サービスの選定ポイントや導入をスムーズに進められるチェックリストをまとめた資料を無料で配布しています。
今後、電子契約を導入するにあたって課題を事前に洗い出しておきたい方は、こちらから「【2022年保存版】電子契約の始め方ガイドブック 」をダウンロードしてご確認ください。
電子契約導入のステップ
電子契約を導入する際は、次のようなステップで進めるとよいでしょう。
1.契約の一部を電子契約に変更してみる
いきなりすべての契約を電子契約に変更する必要はありません。
まずは一部の業務において電子契約を取り入れ、紙ベースの契約書との違いや契約の流れなどを把握するとよいでしょう。
電子契約の便利さや課題などを理解したうえで、少しずつ社内に浸透させるとスムーズに導入できます。
2.どの電子契約サービスを利用するか決定する
電子契約を導入する業務を決めたら、次に電子契約サービスを選定していきましょう。
多くのサービスが存在しているため、営業担当者に質問したり、資料請求を利用したりして、自社に合ったものを導入することが重要です。
3.電子契約の導入効果を検証する
電子契約を導入したら、どの程度のコストを削減できたのか、どのくらい業務を効率化できたのかを検証しましょう。
削減できた印紙税や人件費を数値として把握するだけではなく、担当者からメリットや課題をヒアリングすることも大切です。
電子契約サービス5選
ここでは代表的な電子契約サービスを紹介しますので、導入を検討している方はチェックしておきましょう。
ジンジャーサイン(旧Signing)
ジンジャーサインは、導入にあたってのサポートが充実している電子契約システムです。
ジンジャーサインであれば設計、導入、運用という3つのフェーズに応じて、担当者が対応。自社に応じた運用方法の設計やシステムを使用するスタッフへの勉強会、相手先企業に合わせたマニュアル作成などをおこなってくれます。
また、契約書データには一般財団法人日本データ通信協会認定に認定されたサイバートラスト社のタイムスタンプと、運営元である株式会社ネオキャリアによる電子署名が給付されるため、セキュリティ対策も万全です。
行き届いたサポート体制だけでなく、契約書アップロードから契約締結までを短時間で完了できるため、電子契約サービスを初めて導入するという企業におすすめです。
電子契約はコスト削減や業務効率の改善だけがメリットではありません。法的効力を持っていて、安全性が高いことをご存知でしょうか。契約締結や送信の履歴・証拠を残すという点でも、実は書面契約より使い勝手よく運用可能です。
電子契約は安全かどうか、導入メリット含めわかりやすい資料をジンジャーサインでご用意いたしましたので、ぜひダウンロードしてご活用くださいませ。
▼「【2022年保存版】電子契約の始め方ガイドブック」資料でお悩み解決!
・書面契約との違い
・法的有用性
・電子化できる契約書の種類
・導入メリット、効果 など
クラウドサイン
クラウドサインは、弁護士が監修している電子契約サービスです。
電子署名法などの法律に準拠しているため、安心して利用できます。
契約作業をオンラインで完結できるため、業務効率化やコスト削減にもつながるでしょう。
Adobe Sign
Adobe Signは、シンプルな操作方法と管理画面が魅力のシステムです。
クリック、タップ、スワイプといった簡単な操作で文書への署名が完了します。
セキュリティ性も高いため、安心して利用できるでしょう。
DocuSign
DocuSignは、どのようなデバイスからでも署名できるシステムです。
外出先からでも利用できるため、外回りの多い営業担当者でも使いやすいでしょう。
無料トライアルを利用できるため、使い勝手や操作画面を確認してから導入するのもおすすめです。
電子印鑑GMOサイン
電子印鑑GMOサインは、セキュリティ性に優れている電子契約システムです。
契約データのバックアップや暗号化などをおこなってくれるため、重要なデータも安全に管理できます。
電子契約の導入による業務効率化は可能!
今回は、電子契約を導入するメリットや、導入するときの注意点などを解説しました。
電子契約を導入することで、コストの削減や業務の効率化を図れます。
ただし、電子契約が認められないケースがあることや、契約相手の同意を得ることには注意しなければなりません。
電子契約をスムーズに進めるためのサービスも多く提供されているため、自社に合ったものを導入して業務を効率化していきましょう。