ECサイトを立ち上げて商品やサービスを販売する際には、それに応じた法令を遵守することが大切です。中でも特に重要視されているのが、電子契約法や特定商取引法です。
各法律の内容を熟知していれば、EC業界の電子契約におけるトラブルを未然に防止することが可能となります。
本記事では、EC業界における電子契約について詳しく説明します。
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1. EC業界の電子契約に関わる法律は数多くある!
EC業界とは、電子商取引に関連するサービスやツールを提供している業界のことをいいます。ECとはElectronic Commerceの略語で、日本語では電子商取引という意味合いになります。
もともとは、ネット上の電子商取引に対応するサイトがECサイトと呼ばれていました。しかし近年では、インターネット上でショッピングができるサイト全般をECサイトと呼んでいます。
日本国内でECサイトが誕生したのは90年代終盤のことです。その後、2010年以降になるとECサイトが爆発的に増加しました。
EC業界で商品やサービスを販売する際には各種法令を遵守する必要があります。経済産業省は、電子商取引及び情報材取引等に関する準則として、以下のようないくつもの法令を定めています。
・景品表示法
・個人情報保護法
・資金決済法
・通則法
・電子契約法
・特定商取引法
・特定電子メール法
・独占禁止法
・不正アクセス禁止法
・プロバイダ責任制限法
・預金者保護法
中でも、EC業界で電子契約を行う際には電子契約法について熟知しておくことが大切です。また、トラブルを避けるためには特定商取引法の内容を遵守しなければなりません。
ECサイトの電子契約をトラブルなく行うためには、民法や会社法、電子署名法や電子帳簿保存法などについてもチェックしておくことが重要です。民法には契約締結や合意に関連する法律が、会社法には税金や帳簿管理に関する法律が定められています。
ECサイトの運営にあたっては多くの法律を参照する必要があります。専門家のサポートを受けるなどの方法で、スマートな運営を行いたいものです。
2. EC業界で特に重要な電子契約法の主な内容
電子契約法は、ECサイトを利用した契約において消費者が被るリスクを軽減するために制定された法律で、正式名称を「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」といいます。
ここからは、電子契約法の中でもECサイト事業者が特に注意したい項目について詳しくチェックしていきましょう。
2-1. 電子商取引などにおける契約の成立時期転換
電子商取引の契約の成立時期転換とは、消費者のもとに通知が到達したタイミングを契約の成立時期とみなすルールです。ECサイトの事業者が通知を送信した時点では、契約が成立していないという点に注意が必要です。
電子契約法がない時代には、契約の成立時期は通知を発した時点であると民法に定められていました。インターネットがそれほど使われていない時代には、郵送した通知が届く数日間という期間を待って契約するのは都合が悪かったために、こういったルールが成立していたのです。
しかし現在では、契約の通知をオンライン上で瞬時に送ることが可能です。そのため、消費者に連絡が届いた段階を契約の成立とみなすようになりました。
2-2. 電子商取引などにおける消費者の操作ミス救済
電子契約法には、取引の成立にあたって消費者の操作ミスがあった場合の救済措置が定められています。
ECサイトでのショッピングはときに、数回のクリック操作のみで取引が成立することもあります。そのため、入力ミスやクリックミスによる誤注文のトラブルも起きやすいのが現状です。
サイトを開いただけで会員登録完了や請求を告げるページに遷移させたり、ミスリードの手法で商品を購入させたりといった悪質な手法を用いるEC業者も残念ながらいるものです。こういったECサイトでトラブルが起きたときには、消費者は電子契約法の定めに基づいて取引を無効化することが可能となります。
しかし、ECサイトの運営者側からすると、売れたと思った商品がキャンセルされるのは大きな損害となってしまいます。電子契約法では例外的に、事業者が購入の意思の確認を求める措置を講じた場合には、購入者側からの取り消しができないという旨を定めています。
3. EC業界の電子契約に関連する特定商取引法の主な内容
近年ではネット通販や通信販売を利用する人が増加傾向にあります。これを受けて、2022年6月には改正特定商取引法が施行されました。
特定商取引法の記載のうち、特に重要なのは以下のような項目です。
3-1. 情報の表示
ECサイトでは通信販売を行うため、ECサイトの事業者は購入者に対して一定の情報を表示しなければなりません。明記する情報は販売価格や送料、支払の時期や方法、引き渡しの時期や解除に関する事項、事業者の名称や住所などさまざまです。
3-2. 誇大広告の禁止、誤認させる広告の禁止
ECサイトに誇大広告を掲載したり、事実とは著しく異なる内容の広告を掲載したりすることは認められていません。また、ECサイトに消費者を誤認させる表示を行うことも特定商取引法によって禁じられています。
例えば、定期購入の商品であるにも関わらず、トライアルと強調して消費者に購入を促した場合には、誤認させたと判断されるおそれがあります。
3-3. 申し込みの撤回や解約を妨げる不実告知の禁止
通信販売では、消費者が購入申し込みの撤回や定期購入の解約を申し出るケースも多いものです。このときに、撤回や解約を妨げるような情報を告げることは特定商取引法違反に該当します。
例えば買い切りの商品を購入した消費者に対し「定期購入契約となっているため解約には残りの代金の支払いが必要」といった嘘を伝えることは認められていません。
4. EC業界における電子契約に関する注意点
ECサイトの運営にあたって電子契約法や特定商取引法に違反すると、行政処分の対象となってしまいます。業務停止命令や改善指示を受ける可能性があるほか、罰金刑や懲役刑に問われる可能性も考えられます。
EC業界で電子契約を導入する際には、電子契約法における消費者の錯誤に十分な注意が必要です。うっかり申し込みボタンを押してしまうようなECサイトを作成すると、消費者に錯誤をさせてしまうことになります。錯誤は契約無効の対象となります。
錯誤を回避するためには、電子契約法における確認措置を講じる必要があります。確認措置とは、消費者に購入の意思があるかを明確にすることです。
例えば消費者が購入ボタンを押した際には、購入の確認画面を表示するなどの対処が有効です。購入前の最終確認ができる画面を用意することで、取引のミスや錯誤が起こりにくくなります。
5. ECサイトを運用する際には電子契約法や特定商取引法を遵守しよう
ECサイトの開設などEC業界に参入する際には、電子商取引に関する法令を詳しく確認しておきましょう。特に、電子契約法や特定商取引法には、取引における重要なルールが数多く定められています。
消費者が操作ミスや錯誤を起こさないようなECサイトを構築することは、不要なトラブルをさけることにつながります。安心して利用できるECサイトを構築するためにも、各法令の内容を遵守することが肝心です。
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