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電子署名と押印の違いは何?わかりにくい用語の意味を表で比較!

 

コロナ禍により、リモートで契約手続きが可能な「電子契約」を導入する企業が増えています。

 

自社は電子契約を導入していない場合でも、今後取引先に契約手続きの電子化を求められたり、テレワークに伴い社内で要望が出たりする場合があります。

 

電子契約は信頼性が高く、書面契約と同等かそれ以上の安全性がある契約方法です。

 

電子契約を導入する場合に備えて、電子契約の安全性を守る「電子署名」の仕組みや、書面契約における押印との違いを確認しましょう。

 

署名・押印は何のためにあるのか

 

そもそも、契約における署名や押印は何のためにあるのでしょうか。私法上は、契約とは当事者の合意が形成された段階で成立します。

 

特段の定めがない場合、署名や押印は必ずしも求められません。しかし、契約の際にお互いの署名や押印があれば、その契約書が「真正に成立した」ものであること(真正性)を立証できます。

 

ここでは、契約の際に署名・押印をおこなう理由について、法律の観点から説明します。

契約書容の真正性の証明

契約における署名・押印にはどんな効果があるのでしょうか。

 

私法上、署名・押印がなくても契約締結は可能だと述べました。署名・押印が効力を発揮するのは、契約関係においてなんらかのトラブルが生じ、民事紛争に発展したケースです。

 

企業間の民事紛争においては、契約書などの私文書の内容が正しいかどうか、名義人が本当に作成したものであるかが重要な争点となります。

 

このときに契約書にお互いの署名・押印があれば、その契約書がお互いの合意に基づき、「真正に成立した」ことを証明できます。

 

民訴法第228条第4項
私文書は、本人[中略]の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。

 

もちろん、実際の民事裁判では、署名・押印の有無のほかにも、契約書が成立した経緯や、その他の証拠となる資料に基づいて争われます。

 

しかし、お互いが署名・押印をおこなっていれば、契約書の内容が正しいと証明するための作業を軽減できます。

 

なお、近年増加している電子契約では、手書きの署名またはハンコによる押印に代えて、電子署名を利用します。

 

電子署名法3条では、「電磁的記録であって情報を表すために作成されたものは、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名がおこなわれているときは、真正に成立したものと推定する」と規定しており、電子署名には署名・押印と同等の効力が認められています。

「だれが・いつ・何を」確認、合意したかの立証が必要

ただし、署名や押印だけでは、名義人本人が本当に押印・署名をおこなったのかがわかりません。

 

そこで、法務省や地方自治体などの第三者が印鑑登録証明書を発行し、印鑑登録証明書と契約書の印影を比較することで、署名や押印が本当に本人のものか確認できるようにしています。

 

印鑑登録証明書の取得には、本人確認書類の提出が必要なため、印鑑登録証明書と契約書の印影が一致すれば、契約書の作成者が本人であることを立証できます。

 

電子契約においても、第三者機関である認証局が間に入り、電子証明書を発行しています。

 

電子証明書の取得にも本人確認が必要なため、電子署名を本人と紐付けることが可能です。

電子契約と書面契約の違い

 

ここまで、契約における署名・押印の必要性について解説しました。

 

すでに述べた通り、書面契約では印鑑・ハンコによる記名押印を、電子契約では電子署名による記名押印を利用します。

 

そのため、電子契約と書面契約では、契約書が本人によって作成されたか(本人性)、第三者から改ざんされていないか(非改ざん性)の検証方法が変わってきます。

 

  書面契約 電子契約
署名・押印の対象 文書 PDFファイルなどの電磁的記録
本人性を表すもの 印鑑 電子署名
本人性を確認する方法 印鑑証明書 電子証明書
非改ざん性の検証方法 印鑑証明書と契約書の印影を比較し、一致しているかどうかを物理的に検証する 電子文書・電子署名・電子証明書が適切に紐付けられているかどうかを電子的に検証する

 

電子契約では、電子文書・電子署名・電子証明書の3種類をプログラムによって検証し、本人の持つ秘密鍵が使われているか、第三者に改ざんされていないかを電子的に検証できます。

 

そのため、電子契約には書面契約と同等かそれ以上の信頼性があります。

電子署名・電子印鑑・電子サインの違いとは

 

注意が必要なのは、電子契約サービスによって、電子署名・電子印鑑・電子サインの3種類の署名方法が用意されているケースがある点です。

 

電子サイン 電子文書に対する署名方法の総称
電子署名(高度電子署名) 電子証明書によって、本人性や非改ざん性を検証できる署名方法

契約書のほか、確定申告や登記にも利用できる

電子印鑑 電子サインのうち、印影を画像データ化したもの

社内向けの稟議書や見積書などの利用がメインで、外部取引には使われない

 

電子署名・電子印鑑・電子サインは、それぞれ法的効力を持ち、電子契約書の署名方法として使うことが可能です。

 

ただし、電子印鑑は画像データの複製が可能で、第三者の改ざんやなりすましを防止できません。

 

そのため、電子印鑑は主に社内向けの稟議書や見積書に対し、認印のような形で使われることが一般的です。

 

外部取引の契約書の署名方法としては、電子証明書によって有効性が保証された電子署名が主に使われています。

 

電子契約サービスによっては、電子サインを「電子署名」、電子署名を「高度電子署名」と呼称している場合もあるため、不安な場合はサービス事業者に確認しましょう。

電子契約の仕組みと安全性

 

電子契約は「安全性」が懸念されることが多いですが、実は書面契約と同等かそれ以上に安全な契約方法です。

 

電子契約で記名押印の代わりに使う電子署名は、「公開鍵暗号」という暗号技術により、本人以外のなりすましを防ぐことができます。

 

公開鍵暗号方式は、「公開鍵」「秘密鍵」の2種類の鍵を使うのが特徴です。

 

公開鍵と秘密鍵はペアになっており、公開鍵は取引先をふくむ第三者も利用できますが、秘密鍵は本人しか利用できないようになっています。

 

電子契約の流れに合わせて、電子署名の信頼性を説明します。

 

まず、契約書を送る企業(甲)が本人だけが知っている秘密鍵で暗号化をおこない、契約書を取引先(乙)に送付します。

 

乙は、甲本人の秘密鍵とペアになった公開鍵(電子証明書)により、電子文書を復号化します。

 

この秘密鍵は、第三者機関の認証局が発行する電子証明書によって、甲本人と紐付けられています。

 

乙は電子証明書の有効性を確認することで、契約を結ぶ相手が甲本人であり、第三者によって契約書が改ざんされていないことがわかる仕組みになっています。

 

まとめ

電子契約に馴染みがない方は、書面契約の方が安全だと考えがちですが、電子契約は書面契約と同等かそれ以上に安全な契約方法です。

 

ただし、電子契約サービスでは、電子文書への署名方法として電子サイン・電子印鑑・電子署名の3種類が用意されている場合があります。

 

信頼性の高い方法で署名をおこなう必要がある場合、電子証明書によって本人確認が可能な電子署名を利用しましょう。

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