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電子署名で取締役会議事録への押印が可能に!どんなメリットがある?

 

新型コロナウイルスの感染予防対策のため、取締役会もオンラインで開催したいと考える企業が増えています。

 

しかし、その障壁となっているのが、議事録への署名の問題です。

 

取締役会議事録には、出席する役員や監査役全員分の記名押印が必要です。

 

PDFファイルなどの電磁的記録で取締役会議事録を作成する場合、署名や記名押印に代わる措置をとることが認められていますが、「電子署名」は取締役会議事録においても有効なのでしょうか。

 

この記事では、法務省の見解をもとに、取締役会議事録における電子署名の有効性や、民間事業者が提供するクラウド型電子署名が利用可能かどうかについて解説します。

 


 

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取締役会議事録とは

 

そもそも取締役会議事録とは、法務省令に基づき、取締役会の議事を記録したものを表します。

 

取締役会議事録には、会社法第369条第3項及び第4項や、会社法施行規則第101条など、さまざまな法律やルールが関わっています。

 

取締役会のリモート開催について話をすすめる前に、まず取締役会や取締役会議事録の基本、会社法が定める取締役会議事録の書き方について確認しておきましょう。

取締役会とは

取締役会とは、会社法第2条5号で定められた「公開会社」に設置が義務づけられた意思決定機関です。

 

公開会社とは、株式の譲渡制限の定めのない株式会社のことです。

 

逆に、発行する全株式が譲渡制限株式である場合は非公開会社といい(会社法第2条17号)、こちらは取締役会の設置が任意となっています。

 

新しく設立したばかりの会社は、この非公開会社である場合がほとんどです。

 

公開会社の場合、取締役会には最低3名以上の取締役を置き、業務監査や会計監査をおこなう監査役も設置しなければなりません。

 

また、取締役会は少なくとも3ヶ月に1回の頻度で開催することが求められます。

 

非公開会社の場合、取締役1名のみの任命でよく、また開催頻度についての規定もありません。

会社法における取締役会議事録とは

会社法第369条第3項及び第4項において、取締役会を開催した場合、その議事を記録することが義務づけられています。これを「取締役会議事録」と呼びます。

 

取締役会議事録を書面で作成する場合、出席者全員(取締役+監査役)の署名または記名押印が必要です。

 

ただし、近年はWeb会議システムなどを利用して、取締役会をリモートで開催し、PDFファイルなどの電磁的記録で取締役会議事録を作成するケースも増えています。

 

取締役会議事録を電磁的記録で作成する場合、署名または記名押印に代わる措置を講ずることが認められています。

取締役会議事録の書き方

取締役会議事録の書き方は、会社法施行規則第101条で詳しく定義されています。

 

会社法施行規則第101条で取り上げられた8つのポイント[注1]を記載します。

 

1.取締役会が開催された日時及び場所
※当該場所に存しない取締役などが取締役会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。
2.取締役会が特別取締役による取締役会であるときは、その旨
3.取締役会が特別の招集に該当するときは、その旨
4.取締役会の議事の経過の要領及びその結果
5.決議を要する事項について特別の利害関係を有する取締役があるときは、当該取締役の氏名
6.取締役以外が発言できる場合等により取締役会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要
7.取締役会に出席した執行役、会計参与、会計監査人又は株主の氏名又は名称
8.取締役会の議長が存するときは、議長の氏名

 

なお、取締役会をリモート開催した場合、「取締役会が開催された場所」は、議長の所在地にあたります。

 

Web会議システムなどで、議長が自宅から取締役会を開いた場合、所在地として自宅の住所を記載してください。

 

[注1] 内閣官房:株式会社における取締役会の議事録について

取締役会議事録にクラウド型電子署名が利用可能

 

取締役会議事録では、出席する役員や監査役全員分の記名押印が求められると述べました。

 

議事録電子化サービスなどを使い、取締役会議事録を電子データで作成する場合、署名や記名押印に代わる措置を講じることが認められています。

 

そして、2020年5月に法務省が新たな見解を出し、「クラウド型電子署名」の利用が認められました。

 

この新見解により、リモート環境では手間のかかる「ハンコ集め」を効率化できるようになりました。

法務省の新見解

2020年5月29日に法務省が取締役会議事録の電子署名について新見解を出しました。

 

今後は「サービス提供事業者が利用者の指示を受けて電子証明をおこなうもの」も、取締役会の電子署名として認められます。

 

これは、一般的に「クラウド型電子署名(立会人型電子署名サービス)」と呼ばれる電子署名です。

 

サービスを利用するだけで簡単に電子証明ができるため、署名や記名押印に代わる措置として、広く利用されています。また、取締役会議事録への署名には、マイナンバーカードを利用した公的個人認証サービスも利用できます。

 

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取締役会議事録にクラウド型電子署名を使用するメリット

 

役員や監査役が自宅などから参加するリモート取締役会では、「ハンコ集め」に手間がかかります。また、取締役会議事録を印刷し、郵送するコストも必要です。

 

その中でセキュリティの観点からも、経営方針などの重要事項が外部に漏れるリスクがあります。

 

では、取締役会議事録にクラウド型電子署名を使用すると、どんなメリットが得られるのでしょうか。

「ハンコ集め」を効率化

従来通り、出席者に対し取締役会議事録へ署名や記名押印を求める場合、「ハンコ集め」の手間が発生します。

 

まず、取締役会議事録を紙で印刷し、各出席者に郵送しなければなりません。たとえばレターパック(ライト)を利用する場合、1人あたり370円(地域によって520円)の送料がかかります。

 

クラウド型電子署名なら、出席者がリモートで署名できるため、時間やコストがかかる「ハンコ集め」を効率化できます。

よりセキュリティを強固に

取締役会議事録を郵送する必要がなくなることで、よりセキュリティを強固にできます。

 

取締役会議事録には、経営方針などの重要事項が記載されているため、紛失や盗難にあった場合、事業経営にとって不都合が生じるリスクがあります。

 

クラウド型電子署名を利用すれば、よりセキュアに取締役会議事録を保管できます。

 

電子署名には、秘密鍵やタイムスタンプといった技術が使われているため、なりすましの被害に合ったり第三者に改ざんされることなく、安全に利用できます。

まとめ

2020年5月に法務省が新見解を出し、取締役会議事録の記名押印を、民間事業者の「クラウド型電子署名」で代替できるようになりました。

 

これにより、遠方の役員や監査役のハンコを集める必要がなくなり、業務効率化やセキュリティの強化につながります。

 

ただし、取締役会議事録にクラウド型電子署名を付す場合、新たに電子文書署名規程を作成しなければなりません。

 

取締役会のリモート開催を検討する場合は、取締役会議事録の電子化についての法務省の新見解や、クラウド型電子署名の特徴やメリットを改めて確認しておきましょう。

 

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